ゆあとのGAMEブログ

僕のGAME記録。

※ネタバレ有「黄金のレガシー」を終えての感想など。

今回はFF142年に一度の大型拡張「黄金のレガシー」のメインストーリーを無事クリアしたので感想を書き残そうと思う。

 

序盤での進行ペースはかなりゆっくりしたものであったが、とあるきっかけから以降のストーリーでは先が気になってしまい、そこからは一気に駆け抜けた。

 

正直もっと風景を楽しんだりだとか、NPCを観察したりだとか、やりたいことは山程あったのだが、それらは後々に堪能することとし、零式前にクリアすることにした。

零式に参加するわけでは無いのだが、長年のプレイ経験から「零式が始まると討滅がシャキらなくなる」と考えてしまうせいだ。

今はコンテンツサポーターもあり、人口も多いので困らないのだが、古参ならではの癖である。

この癖のせいで勿体無いことをしたな、もう1週間かけてクリアを目指しても良かったのに、と実は若干後悔していたりする。

特に直近は怒涛の2日間であった。

長い時で8時間はぶっ通しでプレイしたのではなかろうか。

 

さて、では私の個人的な感想へと移っていこう。

 

総評として私が個人的に点数を付けるのなら87点である。

この点数はネガティブな意見ではなく、今後の期待を込めた叱咤激励として、やや厳し目の点数とした。

終えてみて素直に楽しかったと感じたのは紛れもない事実であり、10年目でFF14自体が飽き気味のプレイヤーからしても、素晴らしい冒険をさせて貰えたと思う。

まずは、ありがとうと吉田Pをはじめとしたスタッフ全員に感謝の意を伝えよう。

 

今回の黄金のレガシーは大きく前半の王位争奪戦のストーリー、後半の黄金卿への謎へ足を踏み入れるストーリー、との2パートがあった。

だが、別にそれぞれが独立したストーリーという訳ではなかく、だからこそ、間伸びしたような前半から緊迫した後編への引き込まれ方は凄かった。

前半のストーリーを馬鹿にして気を抜いていた私は、見事に後半のストーリーでは心の中で土下座をしたのである。ストーリーが面白く無いなんて言ってごめんなさいと。

 

 

今回のメインストーリの主人公はウクラマとであると私は言い切る。光の戦士として冒険してきた過去と違い、主人公は完全にウクラマト。自分自身が冒険しているのではなく、どちらかというとウクラマトの成長を見守る形で、彼女にどれだけ感情移入できるかで今回の拡張の評価は大きく意見が分かれることになると感じた。

実際に賛否両論が起きるのはそのせいもあるのであろう。

まあ、宇宙の果てまで行って世界まで救ってきたヒカセンであり、一度フィナーレを迎えてしまった物語なので、このまま冒険するには様々な要素が足りない。

そう、今回の黄金のレガシーとは、フィナーレ後の次の10年に向けた種蒔きの章なのだと私は感じた。

暁のメンバーの一人一人に視点を当ててみてもそうだ。

彼、彼女らは10年の間で大きく成長し、成熟しており、もし今までと同じように暁を主軸としてしまったら、もうそれは冒険ではなく唯の問題解決屋なのである。

そこから初心に戻るには、やはり新しいキャラクターが必要であり、そしてウクラマトの立ち位置と存在の未熟さ、またこれから色を入れていける真っ白さが非常に重要なポイントであった。

あくまでヒカセンを脇役にしたのではなく、ヒカセンが主人公に返り咲く為にウクラマトを主人公にしたのであろう。

それを心に留めて物語を進めることができたなら、それこそ見守り役に徹するヒカセンが、今後10年のFF14を見守る自分自身とリンクするのである。

黄金のレガシーの前半を楽しめる種類の人々は、ある意味FF14への愛を試されているのかもしれないな、なんて半分冗談で言っておこう。

 

前半のストーリーである王位争奪戦は単純で単調で、正直なところつまらなさに耐えるのに必死だった。

というのも、ウクラマトの性格が絵に描いたような真っ直ぐさで、物語のストーリー等に明るい人種の方々には、何手か先の言動が予想できてしまうからだ。悪く言えばプレイヤーを舐めているのかと思えてしまうぐい、敷かれたレールを制限速度ピッタリで走る冒険だった。

ただそんな感情を見事に和らげてくれたのは、サブクエストや、試練の先々に出てくるNPCであった。

これらは私にとってはとても魅力的でとても好印象を持てた。

実はそれは偶然ではなく、運営が緩衝材の役割となれる計算をして配置していたのだなと今ではわかる。

シナリオライターだってプロである。種蒔きの章はプレイヤーにもライターにもやや忍耐が必要なものであるときちんとわかった上で、サブクエが組まれ、NPCが配置ていたのである。

メインクエストが面白く無いけど、サブクエが好きだな、この時点できちんと私達はライターの腕で冒険をさせてもらっていたのである。

 

一方で、テーマが重い割にはそれらを軽んじて進行するような部分も多数見受けられた。

例えば犯した罪の重さ、それを許すことができるのか、受け入れることができるのか、等だが、ここはRPGの世界であり小説ではない。あくまでゲームのエンターテイメントである、と割り切れればさほど気にしなくても良いのではないかと個人的に消化している。

死生観に永久や時間の概念、記憶や人格、人としての存在や果たしてデータとは、などかなり取り扱っている内容が重いというか難しいのが今回の拡張後半。

それらには完璧な正解がないので、突き始めると100人いれば100人の意見が出てきてしまう扱いにくい箱なである。

だからこそその箱を持ってきた勇気は素晴らしいなとも思った。

この部分に関してはストーリーを解くのではなく、100人がそれぞれの想いを紡ぐきっかけの提案だと私は思っている。

前半と大きく変わり、敷かれたレールのコースターをエキサイティングに楽しむのではなく、自分で道を考えながら切り開いて己が問いに答えていく、実に知的でクリエイティブな方の楽しさである。

そう思うとここでも前半と後半で見事に差別化ができていのかもしれない。

 

ここまではネガティブな指摘をしながらも、文末では高評価をするというスタイルで書き進めてきたが、やはりそれはある程度の贔屓目であるからなのかもしれない。

では、今後に込めた期待のほうを述べていこう。

一番気になったことは、御涙頂戴、の部分である。

人の心を動かすのは難しいことで、最も即効性があるのは悲しみである。今回の黄金は、悲しくて涙する部分が多かった。

もしかしたらサブテーマでもあるかもしれない「家族」に対する描写が特に辛かった。

親が死ぬ、を少なくともグルージャジャ、ゾラージャ、クルルのご両親、カフキワ、と4回も味合わなければいけなかったのである。

勿論その中に救いもあったが、いくらなんでも辛いと涙しながら感じた。

物語上、命を落とすことは仕方ないが

と偉そうに言っても素人の私からでは代案が出てくるわけではないのが、何かこうモヤモヤするのは事実である。

逆に、荒野の列車メンバーと第一世界のトロッコ組が重なる描写などは、それだけで感動し心が温かくなるものだった為、伸び代は沢山あると思う。

悲しみと同じぐらいに温かい感動で心を揺さぶってほしいという願いを込めよう。

 

番外編として、リビング・メモリーのシャットダウンの演出が個人的にものすごく良かった。

まやかしの永久を否定する、完璧な描写である。

そして意志を受け継ぐ永遠を背負う、完璧な描写である。

リビング・メモリーは本当に美しかった。黄金に誰もが夢を、消えてほしくない夢を、見た。それはプレイヤー自身もだ。

けれどストーリーで私達は選択をする。その景観を失う代わりに受け継ぐものを。

朽ちることのない平穏な花園と、刹那を生きるからこそ美しい真っ赤な花。

これもとても難しい問題で、どちらに美を感じるかは個人に委ねられる。今回のメインストーリーがそれこそ永遠にクリアできない人も出てくるのではないかと心配した程だ。

私は刹那を生きる類の人種なので、だからこそ何十倍にも消えていくリビング・メモリーを美しく感じた。

相容れないが、相容れないからこそ反対に魅せられる部分もあり、だからこそ自分の選択がより輝く、実に見事だった。

 

戦闘面では、難しくなった、といった声が多数見受けられる。

そして私はとても満足している。

今回のIDギミックは脳トレというよりはアクション寄りに調整されているなと感じた。それが久しぶりだからかはわからないが、とても楽しい。戦闘が下手でも楽しいのは楽しいのだ。

どんなギミックも慣れてしまえばそれまでだが、個人的に好きなテイストである。

 

BGMゲームミュージック、の部分をよく感じられた。

FF14PRIMALSがあるぐらいにゲーム音楽としては珍しい路線を走っている部分が多少ながらあったので、どこか懐かしさを感じる今回の雰囲気も好印象であった。

 

最後に。

飽きた飽きたと文句を言いながらも10年プレイしてきたFF14だが、やっぱり大好きなゲームであり、今後の10年もプレイしていきたいなと締め括ろう。

 

ありがとう、黄金のレガシー。